お客様が来なくなった理由とは?クレームのないお店ほど見直したい接客の問題

お店を経営していると、以前はよく来てくださっていたお客様が、いつの間にか来なくなっていることはありませんか。

料理の味は変えていないし、価格も大幅には上げていない。スタッフも真面目に働いていて、特に大きなクレームが寄せられているわけでもありません。

それなのに、なぜかお客様が戻ってこない。

私は、このようなときこそ接客を見直していただきたいと考えています。

お客様は、不満があっても必ず伝えてくださるわけではありません。むしろ、何も言わずにお店を離れてしまう方もいらっしゃいます。

お客様が来なくなった理由は接客にあるかもしれない

お客様が来なくなったとき、経営者はまず商品や価格、立地、競合店などに原因を求めるかもしれません。

もちろん、飲食店であれば料理の味や価格は来店を左右する要素です。しかし、同じような価格帯で、同じように美味しい料理を提供するお店がいくつもあったら、お客様は何を基準に選ぶのでしょうか。

私は、その判断に接客が大きく関わっていると考えています。

お客様が再び来店する理由には、料理の美味しさだけでなく、「気持ちよく過ごせた」「スタッフの感じが良かった」という記憶も含まれるからです。

料理が美味しくても再来店するとは限らない

例えば、料理が美味しく、店内も清潔で、価格にも納得できるレストランがあったとします。

しかし、スタッフに声をかけようとしても、なかなか気づいてもらえません。料理を運んできたときにはテーブルに音を立てて置かれ、お会計の際も事務的な対応でした。

一つひとつは、大きなクレームになるほどの出来事ではないかもしれません。

それでも、お客様は「料理は美味しかったけれど、接客はあまり良くなかった」と感じるでしょう。

そして次に外食をするとき、同じくらい美味しく、もっと気持ちよく過ごせるお店を選ぶのではないでしょうか。

料理の味は再来店の理由になりますが、接客によっては、その理由が失われてしまうのです。

お客様は小さな不満を伝えずに帰ってしまう

接客の現場で気をつけていただきたいのは、お客様が不満を口にしないことです。

例えば、冷房が強くて寒かったとしても、スタッフに声をかけるほどではないと思う方もいらっしゃいます。

お茶を出す際の所作が雑だったり、料理が食べにくい向きで置かれたりしても、わざわざ注意する方は少ないでしょう。

しかし、不満を口にしなかったからといって、満足しているとは限りません。

お客様は何も言わずに帰り、次から別のお店を選ぶかもしれないのです。

クレームの件数だけで接客の良し悪しを判断するのは、避けていただきたいと思います。

お客様が離れてしまうお店に共通する接客の問題

お客様が離れる原因は、必ずしもスタッフの態度が悪いからとは限りません。

スタッフ自身は、一生懸命に仕事をしているつもりかもしれませんし、決められた業務を正確にこなしているかもしれません。

それでも、お客様の立場に立ったとき、気になる接客になっている可能性があります。

特に確認していただきたいのは、お客様への関心と、日常的な所作です。

スタッフが作業を終えることを優先している

接客業では、注文を取る、料理を運ぶ、食器を下げる、お会計をするといった業務があります。

忙しくなると、どうしても目の前の作業を終えることに意識が向いてしまうものです。

しかし、お客様はスタッフの作業を見に来ているわけではありません。気持ちよく食事をしたり、サービスを受けたりするために来店しています。

例えば、料理を運んだスタッフが、お皿を置くなり急いで立ち去ってしまったらどうでしょうか。

お客様が何か尋ねたかったとしても、声をかける機会を失ってしまいます。

料理を提供したときにお客様の表情を確認する、必要なものがないか気を配る。そのような小さな行動を忘れないでいただきたいのです。

お客様への関心が薄くなっている

私は、良い接客をするためには、お客様に関心を持つ必要があると考えています。

お客様が寒そうにしていないか、困った様子はないか、料理を楽しんでくださっているか。こうした視点を持っているスタッフは、必要なタイミングで自然に行動できます。

一方で、お客様への関心が薄いと、目の前で困っている方がいても気づけません。

ただし、関心を持つことと、必要以上に話しかけることは違います。

静かに食事を楽しみたいお客様には、落ち着いて過ごせる環境を提供するのも気遣いです。

相手の様子を見ながら、どのような対応が喜ばれるのかを考える。それが接客に求められる姿勢ではないでしょうか。

お客様がまた来たいと思う接客には何が必要なのか

お客様に再来店していただくために、毎回特別なサービスを提供する必要はありません。

むしろ私は、日常の何気ない場面で、どれだけ気持ちのよい接客ができているかを見直していただきたいと思っています。

高価なプレゼントを用意したり、大きなイベントを開催したりしなくても、お客様に喜んでいただける場面はいくつもあります。

お客様に言われる前に気づく

例えば、入口付近の席は、扉が開くたびに冷たい空気が入ってくるかもしれません。

そのような席にご案内した場合は、スタッフから「寒くありませんか」と声をかけてみてください。

膝かけを用意しているお店なら、「膝かけもございますので、遠慮なくお申しつけください」と一言添えるだけでも印象が変わります。

お客様から要望があって対応することも必要ですが、私は、言われる前に気づける接客を目指していただきたいのです。

お客様の不便を想像し、必要なものを準備しておく。その姿勢が、おもてなしにつながります。

最後まで気持ちのよい対応を続ける

接客では、お客様をお迎えするときの挨拶を大事にしているお店が多いと思います。

しかし、お帰りになるときはいかがでしょうか。

入店時には笑顔で迎えていたのに、お会計を済ませた途端、そっけない態度になってしまっては残念です。

お客様は、最後に受けた対応も含めて、そのお店での時間を振り返ります。

料理が美味しく、楽しい時間を過ごせたとしても、最後の挨拶が無愛想だったら、良い印象のまま帰っていただけません。

私は、お見送りまでが接客だと考えています。

最後までお客様に気持ちよく過ごしていただくことを、スタッフ全員で意識してほしいと思います。

お客様が何も言わずに離れていないか確認しましょう

お客様が来なくなった理由は、料理や価格だけにあるとは限りません。

スタッフの何気ない態度や、ちょっとした気遣いの不足が、再来店を妨げているかもしれないのです。

そして、お客様は不満を必ず伝えてくださるわけではありません。何も言わずに帰り、次から別のお店を選ぶ方もいらっしゃいます。

だからこそ、クレームがないから大丈夫と考えず、日々の接客を見直していただきたいと思います。

お客様が困る前に気づくこと、最後まで丁寧に対応すること、スタッフ全員で良い接客を共有すること。どれも特別な設備や多額の費用を必要とするものではありません。

私は、接客の小さな積み重ねが、お店の評判をつくると考えています。

「また来たい」と思っていただけるお店になるために、まずはお客様が何も言わずに帰っていないか、現場の様子を確認してみてください。

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