また来たくなるお店とは?「小さな工夫」が大きな効果を生む

接客業において、いかにしてお客様を再訪問させるかということは、店舗の繁盛にとって非常に重要な要素です。
お客様に「また来たい」と思ってもらうためには、サービスや雰囲気が良いだけでは不十分です。
今回は、実際に効果を上げた「また来たくなる工夫」についてお話しします。
ポイントカードを使った差別化
レストラン業界では、コンビニやその他の業界に比べてポイントカードを導入しているお店はまだ少ないのが現状です。
しかし、これは大きなチャンスでもあります。
例えば、あなたがランチで訪れるお店がいくつか思い浮かんだとき、「ポイントがつくお店」と「つかないお店」の選択肢があった場合、どちらに行くかは自然に「お得感」を感じる前者に足が向いてしまうものです。
実際、あるレストランでは「500円ごとに1ポイント、20ポイントで500円割引」といったポイントカードを導入していました。
しかし、意外にも、一部のお客様は「割引」を提供されることに不快感を示し、カードを断ることがありました。
これに気づいたオーナーは、もう少しお客様目線で考えた方法に切り替えることを決意します。
お客様の心を動かす「秘密のポイントカード」

「ポイントカードを勝手に作ってしまう」という発想は、非常にユニークであり、お客様の気持ちに寄り添った工夫と言えるでしょう。
例えば、常連客である男性のお客様に、無理やりではなく、内緒でポイントを付けることから始めました。
お会計時に「実は、お客様の分のポイントカードを作っておいたんです」と伝え、少しずつ溜まっていったポイントを見せた時、お客様は驚きとともに喜びました。
これがきっかけで、お客様はカードを大切に保管し、次回来店時には嬉しそうにそのカードを出してきました。
最初は「割引」のために集めるのに抵抗があったお客様も、今では自分のポイントカードに愛着を持ち、積極的に利用するようになったのです。
こうした「気づかれずにサービスを提供する」方法が、実は非常に効果的であることがわかりました。
お客様とスタッフとの距離が縮まる
ポイントカードを通じて、お客様とスタッフの距離も縮まりました。
最初は単なる業務的なやり取りだったものが、ポイントが溜まるごとにお客様との会話が増え、最終的にはお客様がプライベートなことまで話してくれるようになったのです。
お客様から「今日はどうしたの?」と声をかけられた時、その関係性の変化に大きな喜びを感じました。
このように、ポイントカードがきっかけで生まれる「つながり」は、ただの割引サービス以上の価値を持っています。
お客様は、スタッフとの会話やコミュニケーションが記憶に残り、店舗に対する信頼感が増します。
それは、最終的に「また来たい」という気持ちを育むことにつながります。
「ランチ」は単なる食事ではなくビジネスにも活かせる接客
ランチタイムは、ただの「空腹を満たすための食事」だと思われがちですが、実はこの時間帯こそ、リピーターを生むための大きなチャンスです。
特にビジネス街に位置するレストランでは、ランチの接客が夜の集客にもつながることが多いのです。
お客様が満足できる接客を提供すれば、ランチで得た信頼が次回のディナーや接待に結びつくのです。
スタッフとのちょっとした会話、親身な対応が、お客様にとって大きな価値となります。
低価格帯のランチであっても、しっかりとした接客を提供することで、お客様は「ここなら接待で使っても問題ない」と感じ、夜の利用に繋がることがあるのです。
ランチタイムだからこそ、スタッフの心を込めた接客が特に重要だと言えるでしょう。
一つひとつの取り組みが繁盛する仕掛け
「また来たくなるお店」には、ちょっとした工夫が必要です。
ポイントカードを活用したり、お客様との距離を縮めるために気配りをしたりすることで、お客様の心を掴み、再訪を促進することができます。
また、ランチタイムにしっかりとした接客を提供することで、その後のビジネスシーンにもつながることがあります。
どんなに小さなことでも、スタッフの心を込めたサービスはお客様に伝わり、店舗の繁盛に繋がるのです。
接客は業務の一環ではなく、来店するお客様一人一人との大切なつながりを作るための「仕掛け」だと考え、日々の接客に工夫を加えていきましょう。