接客サービスは1点のマイナスが命取り|悪い口コミが広がる原点
接客業において、お客様に不満を持ち帰らせないことは非常に重要です。
「無限リピートの方程式」『1+1+1=∞』のように、3回続けて来ていただけたなら、そのお客様はあなたのお店のリピーターです。
さらに、お客様からお客様へ、リピーターの輪は無限に広がります。
しかし、その逆の「破滅の方程式」『100-1=0』もまた、無視できません。
たった一つのマイナスでも、全体の評価をゼロにしてしまう可能性があるのです。
100点以外は0点|一つのミスの重大性
あるとき、当時の帝国ホテル副社長だった犬丸一郎氏は、全社員参加のミーティングでこんなお話をなさいました。
「皆さんはいつも、少しでも100点に近づけるように努力をしてくれていると思います。 しかし、その考え方は捨ててください。 『100-1=○』なのです。たったひとつのマイナスもあってはならないのです」と。
接客業において一つのミスは、全体の評価を台無しにしてしまうということです。
どれだけ他のサービスが完璧であっても、一つの小さな不満が生まれると、全体の印象が悪化し、お店の評価が大きく下がります。
たとえば、お料理、空間演出、ご案内からお会計までのサービス、全てが完璧だったとします。 しかし、仮に「お帰りの際の挨拶が無愛想だった」としたら、お店の印象は最高なものから最悪なものに落ちてしまいます。
お客様の心理は、次のとおりです。
「さっきまであんなに親切だったのに、お会計をすませたら何だかそっけない。そういえば、サービスもあまり心がこもっていなかったような気がする。お料理は美味しかったけれど後味が悪いような気がする」
このように、たった一つのマイナスによって、それまでの評価すべてが上書きされてしまうのです。
破滅の方程式は広がっていく
お客様が一度でも不満を抱いてしまえば、当然ながらその印象は無限リピートの仕組みと同様、口コミを通じて広がります。
特に悪い噂は良い噂よりも速く、かつ尾ひれがついて広がりやすいです。
一度でもネガティブな評価を受けると、そのお店は「評判の悪い店」というレッテルを貼られ、新規のお客様を獲得するのが難しくなります。
このように、たった一つのマイナスがもたらす影響は計り知れないのです。